実施企業
川崎重工業株式会社
技術提供企業
米マイクロソフト社
目的
設計・開発から試験までの全工程を仮想空間上で実行できる環境を構築し、製造現場の効率化と遠隔協業を実現する。
概要
川崎重工業は、Microsoft Azure上にクラウド/IoTの統合基盤を構築し、「インダストリアルメタバース」の実現に着手。産業用ロボットの予兆保全や遠隔技術支援など、現場の課題解決から段階的に進め、最終的に全工程のデジタルツイン化を目指している。
背景や課題
労働人口の減少や多様な消費者ニーズの変化、ロボット需要の急増といった製造業界の環境変化に対応する必要があった。また、ロボットによる製造プロセスの自動化が進む中で、わずかな異常が生産ライン全体を停止させるリスクも課題となっていた。
実施内容
Azure IoT、Azure Percept、HoloLensなどを製造現場に導入し、産業用ロボットの故障対応や予兆保全を実現。さらに、Azure Digital Twinsを活用したデジタルツインプラットフォームの構築に着手し、仮想空間上での過去・現在・未来の動作状態の把握と遠隔拠点でのトラブル解決を可能にした。
結果
複数拠点間でのリアルタイム遠隔支援体制を確立し、故障発生時の迅速な復旧を実現。また、シミュレーション機能によるトラブル原因の特定と解決が可能になった。今後も段階的に拡張し、設計・開発から試験までの全工程をバーチャル環境で実行できる「インダストリアルメタバース」の完全実現を目指している。