実施企業
日本ペイントホールディングス株式会社(日本ペイントコーポレートソリューションズ)
技術提供企業
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(AWS)
目的
事業成長に対応した柔軟なITインフラの実現とデジタル基盤の強化
概要
日本ペイントグループは、サーバー保守終了を機にAWSへのクラウド移行を実施。約1年8ヶ月で30以上のシステムを移行し、運用効率化とコスト削減を実現。
背景や課題
日本ペイントグループは従来、オンプレミス環境で基幹システムを運用していましたが、主要システムを運用する共通サーバー(Oracle SuperCluster)のサポート終了が2022年12月に迫っていました。事業の成長に伴い、システムリソースの柔軟な拡張や、検証環境の迅速な構築が困難という課題を抱えていました。また、運用保守の効率化やBCP対策の強化も必要とされていました。
実施内容
AWSを採用し、約1年8ヶ月のプロジェクトで人事システム、技術系システム、基幹システム、BIツール、SAP ERPなど約30のシステムを移行しました。Amazon EC2やAmazon RDSなどのマネージドサービスを活用し、AWS Organizationsによるマルチアカウント構成を採用。AWS CloudFormationを使用してインフラのコード化(IaC)を実現し、プロセスを自動化しました。特筆すべき点として、2名のAWS技術者を中心とした内製開発チームが、AWS Enterprise Supportの支援を受けながら移行を成功させました。システム別、ステージ別に約20のアカウントで分離し、高水準のモニタリングとセキュリティ管理を実現しています。
結果
クラウド移行により、システムリソースの柔軟な拡張が可能となり、AWS移行促進プログラム(MAP)の活用で利用料を15.9%削減することに成功しました。セキュリティ面では、改善プログラムの実施により20〜30ポイントのスコア向上を達成。さらに、運用工数の削減や、新技術導入への迅速な対応が可能となり、ビジネス貢献度が向上しました。現在は工場のビッグデータ活用に向けたプラットフォーム構築を進めており、AI/MLサービスの活用も検討しています。