実施企業
Rosendahl Nextrom(オーストリアに本社を置く電池・ケーブル・光ファイバー製造装置メーカー)
技術提供企業
シーメンス株式会社
目的
デジタルツインを活用した製造装置の開発期間短縮と品質向上の実現
概要
バッテリー、ケーブル、光ファイバーの製造技術をグローバルに提供するRosendahl Nextromは、シーメンスのデジタルツイン技術を導入。新しい製造プロセスを仮想空間でシミュレーションすることで、開発期間の大幅短縮と品質向上を達成している。
背景や課題
電気自動車の普及に伴うリチウムイオン電池需要の急増により、より柔軟で効率的な製造システムが求められていた。従来の製品開発では1年半から2年の期間を要し、試作や調整に多くの時間とコストがかかっていた。また、鉛蓄電池製造における技術的な限界も課題となっていた。
実施内容
シーメンスのNX(CAD/CAM/CAEシステム)とメカトロニクスコンセプトデザイナー(MCD)を導入し、製造装置の仮想シミュレーションを実現。TIAポータルを活用した効率的な自動化制御も実装。新しい製造コンセプトとして、従来の直列生産ラインから、AGVを活用したマトリックス型セル生産方式への転換を図り、生産の柔軟性を向上。仮想空間での事前検証により、試作や調整プロセスを最適化。
結果
製品開発期間を従来の1.5〜2年から12ヶ月に短縮。機械効率は最大95%を達成し、業界標準を大きく上回る性能を実現。特に鉛蓄電池製造では、従来30年間突破できなかった物理的限界を克服し、25%の出力向上と品質改善を実現。また、仮想シミュレーションにより顧客要求を開発初期段階から反映可能となり、顧客満足度も向上している。