実施企業
Carioca社(イタリア)
技術提供企業
シーメンス株式会社
目的
マーカーペン製造工程におけるデータ収集の効率化と生産の透明性向上
概要
子供向け文具製品メーカーのCarioca社は、シーメンスのSIMATIC S7-1200 PLCとOPC UAプロトコルを導入し、製造実行システム(MES)の構築を実現。生産データの収集と管理を効率化しました。
背景や課題
1日100万個以上、年間約3億個のマーカーを製造する生産ラインでは、34台のプラスチック射出成形機と30台の組立・梱包機械が稼働しています。色の切り替えなどによる生産効率の低下や廃棄物の発生、エネルギー消費の最適化が課題となっていました。また、サステナビリティへの取り組みとして、再生プラスチックの使用や太陽光発電の導入も進めており、より効率的な生産管理システムが必要でした。
実施内容
シーメンスのSIMATIC S7-1200 PLCを各生産ラインに導入し、OPC UAプロトコルを採用することで、様々な機械からのデータ収集を実現。新しいMESシステムへのデータ提供を定義し、垂直統合を可能にしました。このアプローチにより、機械の種類に関係なく、サーバーインターフェースの標準化を実行し、柔軟かつ独立した方法でデータソースへのアクセスと活用が可能になりました。シーメンス製品の長期的な市場供給保証も、導入の決め手となりました。
結果
生産ラインの各機械からのデータ収集が効率化され、生産の透明性が向上しました。データの集中化と標準化により、生産管理の効率が改善。機械内に新たな機能を柔軟に管理することが可能となり、従来のコントローラーとしての使用を超えた新しいビジネスモデルの構築に成功しています。これにより、生産効率の向上と廃棄物の削減、エネルギー消費の最適化に向けた基盤が整備されました。