実施企業
株式会社IHI機械システム
技術提供企業
シーメンス株式会社
目的
真空熱処理設備の見える化システム「FURNACE EYE®」開発によるデジタルトランスフォーメーションの推進
概要
真空熱処理設備のトップメーカーであるIHI機械システムは、シーメンスのSIMATIC WinCC Unifiedを採用し、設備の稼働状況を可視化する「FURNACE EYE®」を開発。現場のDX推進の第一歩として、装置の見える化と遠隔監視を実現しました。
背景や課題
産業界全体のDX推進には、OT(制御・運用技術)を持つエンジニアのIT技術能力の育成と強化が不可欠でした。IHI機械システムは、これまで培ったOT技術やノウハウを活かしながら、現場での見える化システムの構築を通じてIT技術の習得と効率的な活用を目指していました。また、デザイン会社が作成した画面デザインを忠実に実現できる柔軟な製品が必要でした。
実施内容
シーメンスのSIMATIC WinCC Unifiedを採用し、JavaScriptやSVGを活用した柔軟な画面設計を実現。産業用PC「SIMATIC IPC627E」上で稼働するWinCC Unified PC Runtimeにより、様々な設備からのデータ収集と一元管理を可能にしました。また、シーメンス製PLCだけでなく他社製PLCとの接続にも対応し、日本市場の特性に合わせた見える化システムを構築。さらに、Webブラウザー経由でのタブレットからの遠隔モニタリング機能も実装しました。
結果
従来のHMI開発の知識を活かしながら、最新のWeb技術を取り入れた見える化システムの開発に成功。工場空間を意識した機能的なデザインと、複数設備のデータ収集・可視化を実現し、お客様からも高い評価を得ています。実際の導入企業からは、生産現場のDX推進のスモールスタートとして効果的であるとの評価を受けており、現場の状況把握とIT化の両立に貢献しています。