実施企業
トヨタ自動車株式会社
技術提供企業
自社開発(具体的な外部ベンダー名の記載なし)
目的
3D CADデータなど既存のデジタル情報を一元管理し、工場と開発部門など部署間の情報共有を強化することで、製造プロセスの効率化と品質向上を実現する。
概要
トヨタ自動車は「工場IoT」と呼ばれる全社共通プラットフォームを構築。既存設備の有効活用、データ分析の効率化、IoT工作機器のセキュリティ対策、UIの標準化などを目的に、ボトムアップ型のアプローチで全社的なデジタル化を推進している。
背景や課題
3D CADデータや試作時の特性データなど個々のデジタル化は進んでいたが、実際の製造現場や顧客から得たデータを技術開発へタイムリーにフィードバックすることに課題があった。また、Industry 4.0の進展や非自動車メーカーの台頭という社会変化を受け、全社的なデジタル化の必要性が高まっていた。
実施内容
工場横断の共通プラットフォームを構築し、効率や費用対効果を重視して2〜3年かけて段階的に投資を実施。製造側では「デジタル技術を使ったトヨタ生産方式」として各社員が小規模なテーマを立案・実行するボトムアップの取り組みを展開。社内教育支援体制の構築やBI・AIなどの便利ツールをプラットフォーム上に整備することで、全社員がデジタル技術を活用できる環境を整えた。
結果
各事業部・工場でプラットフォームを活用した現場プロジェクトが立ち上がり、取り組みの数が増加。トータルでの費用対効果の向上を実現した。また、この成功を受け、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンを含むデジタル化へと取り組みを拡大。品質向上や商品力向上、法規対応など、付加価値向上に関わるデジタル化にも着手している。