実施企業
株式会社ミスミグループ本社
技術提供企業
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社(AWS)
目的
メインフレームで運用していた基幹システムをクラウド化・マイクロサービス化し、顧客サービスの向上と開発効率の改善を実現。
概要
グローバル32万社以上に生産材を提供するミスミグループ本社は、「確実短納期」と「顧客の工数削減」を追求するため、基幹システムをAWSへ移行し、マイクロサービス化を実施。開発スピードの向上とコスト削減を実現。
背景や課題
30年近く運用してきたメインフレーム基幹システムが、急速なビジネス成長とビジネスモデルの変化に対応できず硬直化。データ連携の複雑化やベンダー依存のリソース確保など、システムの柔軟性が失われ、事業成長の足かせとなる危機感から、クラウド化とマイクロサービス化を決断。
実施内容
第1ステップとして2018年10月から2020年3月にかけて、3,200台のサーバー群(オンプレミス資産の98%)をAWSへ移行。第2ステップでは「NEWTON」プロジェクトとして基幹システムのマイクロサービス化に着手。アプリケーション層、マイクロサービス層、エンタープライズ層の3層構造とし、業務単位で6つのグループ、約30のアプリケーションに分割。CI/CD環境の整備や最新の開発・運用ツールを導入し、標準化・自動化を推進。2022年8月から台湾、タイ、日本へ順次展開し、今後も韓国・欧州へのグローバル展開を計画。
結果
基幹システムの運用コストが従来の2分の1以下に削減。オンライン確定処理のレイテンシが44%削減、夜間バッチの処理時間が2分の1に短縮。開発スピードは3倍に向上し、各チームが毎週新機能をリリース可能に。社員の技術力が向上し、システムの予兆検知や自主的なパフォーマンス確認が可能となった。新規事業やサービスの立ち上げも容易になり、グローバル標準の業務機能を活用した新たなサービス展開が可能となった。