実施企業
DISA Industries(デンマークの鋳造装置・技術メーカー)
技術提供企業
シーメンス株式会社
目的
デジタルシミュレーションによる製品開発の効率化と新しい顧客価値の創出
概要
鋳造装置のリーディングカンパニーであるDISAは、シーメンスのデジタルツイン技術を活用し、製品開発からアフターサービスまでの包括的なデジタル化を実現。シミュレーションとバーチャルコミッショニングにより、開発期間の短縮と品質向上を達成している。
背景や課題
鋳造産業向けの装置メーカーとして、製品の信頼性と稼働率の向上が最重要課題であった。従来の製品開発では、テストに2週間を要し、実機での試運転にはリスクと多大な労力が必要だった。また、顧客への製品デモンストレーションには重装置の輸送が必要で、セールス活動の効率化も課題となっていた。
実施内容
シーメンスの制御用ハードウェアとソフトウェアを統合的に導入し、製品のデジタルツインを構築。SIMIT、PLCSIM Advanced、TIAポータル、NXメカトロニクスコンセプトデザイナーなどを活用し、包括的なシミュレーション環境を整備。また、実機を扱うエンジニアとデジタルツイン開発チームの協業を促進するため、生産現場に「イノベーションボックス」と呼ばれる専用ワークスペースを設置。
結果
製品テスト期間を2週間から1週間に短縮し、開発効率を大幅に向上。シミュレーションによる事前検証で潜在的な問題を早期に発見し、製品品質も向上。さらに、デジタルツインを活用した新しいアフターサービスの提供や、バーチャルな製品デモンストレーションが可能となり、ビジネスモデルの革新にも成功。シーメンスの現地法人との緊密な連携により、継続的な技術サポートも実現している。