実施企業
80 Acres Farms社(Infinite Acres社)
技術提供企業
シーメンス株式会社
目的
完全自動化された屋内垂直農法システムの実現による、都市部における持続可能な食料生産の確立
概要
80 Acres Farmsは、シーメンスの包括的な制御・自動化技術を活用し、AIと機械学習を組み合わせた完全自動化された垂直農法システムを構築。従来の農法と比べ1平方フィートあたり300倍の生産性を実現し、年間17~20回の栽培サイクルを可能にした。
背景や課題
世界的な都市人口の増加と、クリーンで地域生産された食品への需要の高まりを背景に、限られた都市空間での効率的な食料生産が求められていた。従来の農法では土地利用、水資源、輸送による環境負荷などの課題があり、これらを解決する新しい農業システムの確立が必要とされていた。
実施内容
シーメンスは、スマート配電設備とビル管理技術を導入し、火災安全、セキュリティ、配電システムを単一インターフェースで統合管理可能なシステムを構築。産業用オートメーション技術とエッジデバイスにより生産ラインを自動化し、HMIを通じて農場の制御システムを監視・更新。さらに、デジタルツインを開発して植物の成長と生産プロセスをシミュレーション可能にし、AIと機械学習を活用して栽培条件を最適化。シーメンスファイナンシャルサービスからの出資により、技術開発と施設拡大を支援。
結果
100%無農薬での栽培を実現し、従来比300倍の生産性を達成。年間17~20回の栽培サイクルにより高い生産量を確保。消費地近郊での生産により輸送による環境負荷を低減し、水と土地の利用を最適化。7つの垂直農場への拡大を実現し、都市部における持続可能な食料生産システムのモデルを確立。栄養価と風味の向上にも成功し、より多くの都市圏への展開が可能となった。