実施企業
明産株式会社
技術提供企業
シーメンス株式会社
目的
バッテリー電極材の製造工程における高精度な厚さ計測システムの開発とグローバル展開
概要
製紙・プラスチック業界向けの厚さ計測システムで実績のある明産株式会社は、シーメンスのオートメーション・ドライブソリューションを採用し、バッテリー電極材向けの新たな計測システムを開発。国際規格に準拠した製品の提供を実現しました。
背景や課題
電気自動車向けバッテリー市場の拡大に伴い、電極材メーカーからの引き合いが増加していました。電極の厚さはバッテリーの容量や性能に直接影響するため、高精度な計測が必要不可欠でした。また、米国・欧州・日本での事業展開にあたり、各国の規格(IECやUL)への適合や、顧客の製造環境への円滑な統合が課題となっていました。
実施内容
シーメンスの包括的なソリューションとして、SIMATIC S7-1516Fコントローラー、SINAMICS S210ドライブと1FK2モーター、SIMATIC IPC677E産業用PC、SIMATIC HMIシステムを導入。さらに、SITOP電源装置やスイッチなどの低圧機器、保護システムも採用しました。TIAポータルエンジニアリングフレームワークを活用し、PLCプログラムやHMI画面の直感的な作成を実現。オンライントレーニングやローカルサポートを通じて、新システムの円滑な導入を進めました。
結果
統合されたオートメーション・ドライブソリューションにより、在庫の最大20%削減、配線時間の最大10%削減を達成。フェールセーフシステムの統合により、従来必要だった2つ目のPLCが不要となりました。また、国際規格への準拠と顧客固有の仕様への柔軟な対応が可能となり、グローバル市場での競争力を強化。現在は欧米向けプロジェクトへのシーメンス製品採用を推進し、さらに自社スリッターへの展開も計画しています。