実施企業
ポルシェAG
技術提供企業
シーメンス株式会社
目的
完全電気自動車ポルシェ タイカンの複雑な車両整備をサポートするAR(拡張現実)ベースのワークショップソリューションの開発
概要
ポルシェはシーメンスと共同で、AR技術を活用したサービスソリューション「PARiS(Porsche Augmented Reality in Service)」を開発。タブレットをかざすだけで車両の3Dデータをリアルタイムで表示し、整備作業を視覚的かつインタラクティブにサポート。
背景や課題
ポルシェの初の完全電気自動車であるタイカンは、800ボルトバッテリーなど多くの新技術を搭載。従来の機械的なものから電子的な要素が増加し、相互接続された部品の複雑さも増大。この技術革新に対応するため、整備士が新しい技術を理解し適切に整備できる革新的なサポートツールが必要とされた。
実施内容
シーメンスのTeamcenterシステムを核として、3Dデータの可視化とコラボレーション環境を構築。車両データの管理、整備シナリオの生成、世界展開までを一元管理。ARソリューションとして、タブレットをかざすだけで車両を自動認識し、内部構造のX線写真のような表示や、電流の流れをアニメーション表示する機能を実現。部品の説明、技術データ、作業手順など、必要な情報を3Dアニメーションで直感的に提供。開発段階で得られた情報をアフターサービスまで一貫して活用できるツールチェーンを構築。
結果
世界中のポルシェセンターで、タブレットやワークショップコンピューターを通じて3Dアニメーションによる整備支援が可能に。長文のマニュアルに頼ることなく、視覚的かつインタラクティブな作業が実現。自動車メーカーとして初めて、開発からアフターサービスまでの一貫したツールチェーンを確立し、整備作業の効率化とサービス品質の向上を達成。CADデータを整備にも活用できる革新的なアプローチとして、開発者からも高い評価を得ている。