実施企業
株式会社ダイセル
技術提供企業
株式会社ダイセル(自社開発)
目的
生産プロセスの標準化とデジタル化による総合的な生産革新の実現
概要
「ダイセル式生産革新」として、共通の切り口での現場改革、業務のムダの排除と標準化、高度な意思決定プロセスの確立、そしてデータベースシステム化を段階的に実施。オペレーターの経験とノウハウをデジタル化し、20年以上にわたり継続的な改善を実現。
背景や課題
各工場は歴史的な出自が異なっており、個別に生産性向上に取り組んでいましたが、それぞれが個別最適化されていたためグループ全体としての相乗効果が生まれていませんでした。また、工程が分断され個別最適化されており、工場全体の製造プロセスを最適化する必要性が高まっていました。さらに、暗黙知や経験則による工程不具合も多く、それらを体系的に整理し、標準化する必要がありました。
実施内容
段階的なアプローチとして、まず共通の切り口で現場業務の在り方を点検し、全体像を把握してマスタープランを策定しました。次に、業務のムダのプロセスを排除し、製造担当者の負荷軽減・安定化を実施。さらに、高度な意思決定プロセスの標準化手法として「オペレーション支援」「安定」「改善」「コスト」の要素ごとに整理し、データベース化を進めました。これらを総合オペラビリティスタディとして実施し、原理原則に基づいた現場ノウハウを体系化。得られた知見はすべてデータベースとして管理し、組織全体で活用できる仕組みを構築しました。
結果
製造プロセスにおける品質向上、安全性強化、コスト削減、標準化が実現し、「ダイセル式生産革新」として体系化されました。この取り組みは他の製造業企業へのライセンス供与も行われ、広く普及・活用されるようになっています。特に「生産革新(プロダクションイノベーション)」で固定費を削減、「プロセスイノベーション」で生産性を向上させ、その後「プロダクティブメンテナンス」で利益を創出するという段階的な改善によって、収益性の向上につながりました。