実施企業
トヨタ自動車株式会社
技術提供企業
不明
目的
3D CADデータと既存のデジタルデータの一元管理による工場と現場の情報共有基盤の構築
概要
工場IoTは、3D CADデータなど既存のデジタルデータを一元管理でき、工場と現場などの部署間における情報共有基盤として構築。「既有資産の最大有効活用」「拾い切れていない現場の困りごとをAIで解決」「FA機器類からのデータ授受」「セキュリティ対策」「IE化されていない設備の標準化」の5つを目的として構築され、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンにわたる情報共有基盤を展開中。
背景や課題
3D CADデータや試作時の特性データなど、個々の情報のデジタル化を行い、技術開発・生産準備に成果を上げてきた。しかし、実際の製造・お客様からの得たデータの技術開発へのタイムリーなフィードバックに苦戦していた。Industry4.0や非自動車メーカーの台頭等の社会変化を受け、危機意識を持ち、全社的なデジタル化を検討した。
実施内容
効率や費用対効果重視の風土を鑑み、まず「工場IoT」から着手。「工場IoT」においては、工場横断の共有プラットフォームを2~3年かけて段階的投資、製造側はデジタル技術を使ったトヨタ生産方式として、各社員が小規模なテーマを立案し、実行し、効果を出すというボトムアップの取り組みを行い、人材の育成も併せて進めた。デジタル活用で各社員が困らないように、社内部署による組織的な教育支援、BI・AIなどの便利ツールをプラットフォーム上に用意。デジタルを活用し安心して効果を出せるよう、予め十分なセキュリティ対策された環境を構築。
結果
最初に生産部門と連携し、情報システム部門にて「工場IoT」のプラットフォームをセキュアに準備、各事業部・工場にてこれを使って現場プロジェクトを立ち上げ、取組の数を増やしていくことで、トータルで費用対効果を上げた。「工場IoT」で得られた成果を受け、エンジニアリングチェーンやサプライチェーンを含むデジタル化への適用を打ち出し、品質向上や商品力向上、法規への対応等、付加価値向上に関わるデジタル化に着手し始めた。