実施企業
オムロン株式会社
技術提供企業
オムロン株式会社(自社開発)
目的
製造現場データの活用による生産性向上と省エネルギー化の実現
概要
FA機器等のメーカーとしての工程設計や生産についてのノウハウを活かし、「生産管理」「品質管理」「設備効率」「エネルギー」の4つの切り口における現場データ活用サービス「i-BELT」を提供。顧客企業内のデジタル化を支援し、共創型の現場革新を実現。
背景や課題
オムロンにおけるエンジニアリングチェーンでは、日本で開発・設計した後、工程設計以降をグローバルで行うことがあるため、データというよりも運用の確立、ものづくりや設計思想のカルチャーの融合が重要でした。また、日本企業のデジタル化を阻む要因として、トラルキー的な特徴による現場と各部署との断絶や、分業化による総合的な知識・技術を兼ね備えた人材の不足、社内外とのコミュニケーション・情報連携不足などが挙げられていました。
実施内容
現場データ活用サービス「i-BELT」を、「生産管理」「品質管理」「設備効率」「エネルギー」の4つの切り口で展開し、ツール化してPoCからトップダウン(経営目的)とボトムアップ(自部門の共有、効果の見える化と実現)の連携強化プロセスを支援。具体的には、①顧客企業内部の様々な技術や知見を棚卸して現状把握を行い、②データの流れやプロセスを可視化・構造化し、③顧客の既存の資産・データ・設備を活用して価値が最大化できる部分に対して、データ化や最適化を提案するというステップで展開しています。
結果
「i-BELT」の活用により、製造現場において作業効率の安定化、工具の摩耗量の削減、加工時間の削減などを実現しました。また、「i-BELT」の他社への展開により、暗黙知の形式化と現場モチベーション向上によって日本企業のデジタル化の推進に貢献しています。この取り組みを通じて、製造業のデジタルトランスフォーメーションの具体的なモデルケースを確立することができました。